第3回 社会医療法人 黎明会 北出病院「安全リンクスタッフによる医療安全活動」
社会医療法人黎明会北出病院 医療安全管理室 澤 孝子 (専従医療安全管理者) |
当院では患者さまに安全で安心していただける医療サービスを提供すべく、全員参加の医療事故防止・安全管理体制の充実強化に取り組んでいます。重要改善課題である転倒・転落ケースや誤薬ケースの低減に向け、医療安全管理室が中心となり、安全パトロールやフォローアップ監査、手順の見直しなどを行っています。また、現場目線の安全推進活動が安全啓蒙と安全文化醸成につながると考え、2010年11 月北出病院看護部 安全リンクシステムを構築し、運用を開始しました。 2012年6月には北出病院 安全リンクシステムとして拡大し、最前線で活躍している安全リンクスタッフの視点を重視した職種横断的な安全推進活動を展開しています。 今回は、当院の安全リンクシステムと安全リンクスタッフ(以下「リンクスタッフ」)による安全推進活動について紹介します。
1.目的
患者さまに安全で安心していただける医療サービスを提供するために、安全リンクスタッフが中心となり、職種横断的な安全推進活動を展開します。
2.構成
1)安全リンクスタッフ
各部署から選出された最前線で活躍している看護師、薬剤師、診療放射線技師、臨床検査技師、理学療法士、言語聴覚士、事務職員
2)安全リンク リーダー(医療安全管理者)
3)医療安全推進責任者(院長)
3.役割
現場の視点 (現場・現物・現実)を重視した安全推進活動を展開するために、安全に対する感性を高く維持しながら安全を切り口とした活動テーマを見出し、他の安全リンクスタッフと情報共有しながらチームとして連携した活動を展開します。
また、部署内においてもリーダーシップを発揮しながらその活動を啓蒙します。
安全リンクスタッフはドンドン意見を述べ、積極的傾聴の姿勢を大切にしたブレーンストーミングを行い、その結果を活動の根拠とします。
ビジョンと活動のイメージは以下の通りです。
4.定例活動とミーティング
原則、毎月 第3木曜日 15:00~16:00(60 分以内)。
安全パトロールや危険予知活動など、安全啓蒙に重点をおいた活動と結果を共有します。
柔軟なスタイルで開催します。
★薬剤安全使用チームによる透析センターのパトロール
★誤認対策チームによる放射線科、内視鏡センターのパトロール
★転倒、転落対策チームによるミーティングとカルテレビュー
★安全パトロールでとらえた場面を用いたKYTと発表会の様子
安全リンクシステムによるミーティングや安全ラウンドでは、リンクスタッフの着眼点の豊かさや改善への熱い意欲を感じ、私自身が元気をもらっています。今後も現場の視点を大切にしながら未然防止による安全の先取りと安全文化醸成のシステムとして機能するよう、安全推進活動を継続強化していきたいと考えています。
医療安全活動に関するお問い合わせは、下記メールにお願いいたします。
⇒reimei@reimeikai.com
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